- 08月04日 15:30 提供:cinemacafe.net
今年の直木賞を受賞した池井戸潤の「下町ロケット」(小学館刊)がWOWOWの連続ドラマW枠で実写化。主演の三上博史、寺島しのぶ、渡部篤郎と鈴木浩介監督、そして原作者の池井戸さんが8月4日(木)に都内で開催された記者会見に出席した。
純国産ロケット生産のために欠かせないある部品は、下町の小さな町工場の特許技術だった――。その特許がなければロケットは飛ばないという状況の中、巨大企業と町の小さな工場のプライドを懸けた熱きドラマが展開する。
東日本大震災の後に、急ピッチで制作が進められた本作。三上さんは「3.11の直後、自分に何ができるかとずっと考えていましたが、行き着いたのは本分である役者で何かをすること。そんな中で(オファーの)電話をいただき、時間もなく大変なのは分かってましたが参加しようと思いました」と強い思いを明かす。
三上さんと渡部さんの共演は映画『スワロウテイル』(岩井俊二監督)以来。三上さんは「気がついたら15年経ってた。あのときはお互いにまだガキんちょでしたが(笑)、いまこうしてオヤジになって顔を突き合わせているのが不思議です」と感慨深げ。
三上さん演じる佃の口からは「誇り」、「プライド」といった言葉がたびたび発せられるが、三上さん、渡部さん、寺島さんも、職種は違えど佃と同様に強い思いを持って役者という仕事に打ち込んできた。自らの俳優としての信念や情熱について渡部さんは「ひとつのシーン、作品を作るにはすごく力が必要なんです。『誇りを持っている』ということすら考えずに挑んできたように思います」と語り、寺島さんは「自分が共感できることやビビッと来たものに対して執着はすごくあると思います。といってあれもこれもできるタイプではないんですが(笑)、この作品になら命を懸けられる、という情熱はあります」と胸の内を明かす。そして三上さんは「僕にとって(俳優の)仕事は生きがいなんです。生きがいにするためには、お金のためだけでなく、プライドを持たなくてはいけない。こうして夢中になれるものを持っていることを幸せに思います」と真摯に語ってくれた。
この日は、原作者の池井戸さんも出席。「下町ロケット」を出版した後、20件を超える映像化のオファーがあったそうだが「その中でWOWOWさんに決めた理由は、(自身の小説が原作で、以前ドラマWで製作された)『空飛ぶタイヤ』のスタッフが揃うと聞いて、僕自身が見たくなったから」と直木賞受賞決定以前から話が進められていたという今回の実写化の経緯を説明。改めてキャスト陣の苦労をねぎらい、感謝の言葉を口にした。
「下町ロケット」はWOWOW連続ドラマWにて8月21日(日)22:00より放送開始(全5話)。なお第1話は無料放送される。
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