[日本語訳]Oyster Interview: Atoms For Peace

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Source - Oyster

Zac Bayly: こんにちは、Thom!今日の調子はどう?
Thom Yorke: いいよ、どうも。昨日の夜はあまり眠れなかったんだけど。

-どうして?
わからない…睡眠薬を飲んだりいろいろしてみたんだけど…しかも今朝は電話がどっかにいっちゃって、ホテルの中を探さなきゃなんなくってさ。いい始まり方じゃなかったんだよ。

-いや、それはいい始まりじゃなかったですね。普段はきれい好きで整理整頓してる人なんですか?
ううん。まあ、整理整頓っていうのは創造性とは全然関係ないらしいよ…でさ、僕もようやく家にスタジオを持つようになって-ほんと前はなかったんだよ、それでどんな風になってるかって言うと…ツアーから戻って、全部を繋ぎ直して動くようにしてやるよね、で音楽的にはだよ、それをやると何も起こらないみたいな感じなの。でも外し始めるとカオスが戻ってきて作業が始まるっていう。僕らの家はまったくもってカオスで、そりゃもうひどい散らかり様なんだよ。そういえばさ、最初にちょっとしたお金が手に入ったとき、「家を持つのもいいんじゃないかな?」なんて考え始めるだろ、でパンフレットをもらってきたら何にも無いミニマルな部屋のミニマルな写真が載ってて-テーブルの上にリンゴが1個置いてあったりなんかして、「こんな風に生活する奴なんているか?」とか思っちゃうよね。…で、もうアルバムは聴けたの?

-レコード・レーベルからemailでアルバムが届いたのは15分くらい前でしたね。
そりゃひどいな。

-でも僕はRadioheadの作品のことをよく知ってます。10代の頃は“There There”を一日に10回くらいは聴いてたと思いますよ。
なんだって、そりゃ変わってるな。 [Nigel Godrichが部屋に入ってくる] こいつまだアレを聴いてないんだってさ! [Godrich、笑う] 心配することないよ-もしかしたらその方がいいのかもしれない、僕ら一日中同じ質問に答えてたからさ。実はちょうどその話をしてたんだよ、日本のインタビューはおかしかったなって。違う記者たちに対してひとりの通訳しかいないってのはほんと変だよね、だって同じ奴が同じ質問してくるんだよ!おかしいけど結構気に入ってる。質問の間に考える時間が持てるから。精神の「払い戻し」だね。ビデオを録っとくべきだったな、ほんとすごいから!

-その話でニューヨーク・タイムズで読んだ草間彌生さんのインタビューを思い出しましたね。記者が席に着いて「実生活ではとてもまじめな方のようで、本当におもしろいですね。だってあなたの作品はとてもハッピーでポップじゃないですか!」みたいなことを言ったんです。そして通訳がそれを伝えると、草間さんは通訳に耳打ちしたんです。「このインタビューは終わり」って。
Thom: ああ、そう、僕も同じだね。「ほんとに?お前にはわからないんだろ?」って。ほら、僕がアート・カレッジにいてアウトサイダー・アートの思想に入れ込んでたときにはさ、学校では「うーん、役に立つことを教えてくれないな、精神病院にいるみたい」っていう感じだったな。

-大学にいたんですか?
Thom: そう。でアウトサイダー・アートにハマってた、音楽に近いところがあるなって感じてたから。アート・カレッジではがっかりするときもあったよ、創作のプロセスの多くを数値化するっていうやり方にね。スイスのローザンヌにそういうコンセプトを持って、アート・セラピーとして施設の中でアートをやってた医者がいるよ。自分を表現することが正気を保つひとつの方法だという考えからきてるんだね。ヤヨイはその代表的なことを言葉にしてたよ、「もしわたしにこれがなかったら、とっくの昔に自分を殺していたでしょう」ってね。僕もまったくもって同じで、クリエイティブな人間は大抵そうだと思う。もし表現するチャンネルを持っていなくて、物事が悪く進んだとしたら、ただ落ちていくだけだよね。中にはそういう人もいて、彼女もそうなんだ。でも僕はいつもアート・カレッジで、なぜかその考えが間違った方向に進んでる感じがしてたんだ、ちょっとだけ、何が起こっていたのか頭で考えると。自己表現によってもたらされる、その喜びや救いを失うことになる。実は僕は何年もアート・セラピストのとこに通ってたんだよ。彼女と一緒に精神病院で活動してたんだ。

-ええ、本当に?
Thom: うん、そうやって彼女と出会った。アート・カレッジに行くのはおもしろかったし、彼女と一緒に、自己表現としてのアートのアイデアが存在する場所にいることもね-完成した作品としてじゃなくても、日々解放するメソッドとして、わかるかな?
Nigel: ヤヨイは当然それを本当に意識していたね、彼女は自分が住んでいたところ(日本の精神病院)で確かめたんだから。
Thom: それってなんか僕がそのことを考えていた理由でもあって。テレビでちょっと観たんだよね、「彼女はまだ『治療』を強く求めている」、で僕は「ふん、もちろんそうに決まってるだろ!」って思った。ダミアン・ハーストにとってもそれが真実だとは言わないけど、多くのアーティストは「これが必要なんだ。これを持っていなくちゃ。選択の余地はない」みたいな感じだと思う。


-僕は、人って一般的に何かであるよりも何かをすることに意識を向けているときの方が、より幸せで真っ当でいられるような気がするんですけど、どうでしょう?
Thom: それってかなり、物事を見るときの禅の道だよね。そう、それが何であろうと携わっている時はその中に存在していなくちゃいけないんだ、そこに存在しないものに固執しちゃいけない。そりゃ僕はそこまでの「禅」信者ではないけど-たった一冊禅の本を持ってるだけだしね。ただ瞑想をしようとして、取り組もうとして読み始めたんだけども、その禅の本でほんとにおもしろいなと思ったのは創造性についてそこで如何に多く触れられているかってことで、それは自分が存在しているその瞬間に自分を解放していなければ創造的ではありえない、ということだったんだよね。頭の中に然るべきアイデアがある、でももしそのアイデアを実践するために自分が変わる用意ができていなければ、そこに到達することはできないんだよ。それじゃ気が狂っちゃうね!


※インタビューの残りは発売中のOyster #102: The Peace Issueで。

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